ECU その1

ECUとかインジェクションとかの仕組みが気になったので調べてみた. やりたいことがあるとすれば,

くらいだろうか.

以下, YZF-R15 Ver1 Service Manualより引用・翻訳

OUTLINE OF THE FI SYSTEM

燃料供給システムの主な機能は, エンジンの動作状態と大気温度に従って最適な空燃比で燃焼室へ燃料を送ることです.
従来のキャブレターシステムでは, 燃焼室へ供給される空燃比は, 流入する空気の量とそれぞれのキャブレターで使われているジェットによって計量された燃料によって生み出されていました.
同じ空気の流入量にも関わらず, 必要な燃料の量はエンジンの動作状態, 例えば加速, 減速, 荷重によって異なります.
キャブレターはジェットと様々な補助機器により燃料を計量します, そのためエンジンの動作状態の一定の変化に適応するために最適な空燃比を達成できます.
エンジンの性能向上とより綺麗な排気ガスを得るための要件として, 空燃比をより正確に,細かく調整する方法が必要になっています.
これに対応するために, このモデルでは電子制御燃料供給システムを従来のキャブレターに変えて採用しています.
このシステムでは如何なるエンジンの状態でも, 様々なセンサーの入力から燃料供給量を決定するマイクロプロセッサーを用いることで最適な空燃比達成することができます.
この燃料供給システムを採用することで, 正確な燃料供給, エンジンの応答性の向上, 燃費, 排ガスの削減を達成しました.

FI SYSTEM

フューエルポンプはフューエルフィルターを通してフューエルインジェクターに燃料を送ります.
プレッシャーレギュレーターはインジェクターへの燃料の圧力を250kPaに維持します.
ECUからフューエルインジェクターへの信号に応じて燃料の通路が開き, その間だけインテークマニフォールドへ燃料が送られます.
従って, 長い時間インジェクターへ活性の信号を送ると, 多くの燃料が供給されます. 逆に, 短い時間インジェクターを活性させると, 少ない燃料が供給されます.
インジェクションの期間とタイミングはECUにより決定されます.
- スロットルポジションセンサー
- クランクシャフトポジションセンサー
- インテークエアー圧力センサー
- インテークエアー温度センサー
- リーンアングルセンサー
- クーラント温度センサー
から入力される信号によりECUがインジェクションの期間を決定します.
インジェクションのタイミングはクランクシャフトポジションセンサーからの信号により決定されます.
結果として, 運転状況に応じた必要な燃料の量を常に供給できます.

SENSOR

  • Crankshaft position sensor resistance : 248–372 Ω at 20℃
    • クランク角が死点の時だけ抵抗が変化して電圧が上下する仕組み
  • Intake air temperature sensor resistance : 5.7–6.3 kΩ
  • Coolant temperature sensor resistance : 310–326 Ω at 80℃
  • Intake air pressure sensor output voltage : 0.789–4.000 V at 20.00–101.32 kPa
  • Lean angle sensor output voltage
    • Less than 65°: 0.4–1.4 V
    • More than 65°: 3.7–4.4 V
  • Throttle position sensor
    • (closed position) 0.63–0.73 V
    • 開度に応じて電圧が上昇
  • Speed sensor
    • フロントホイール1周毎に0Vと5Vを往来する

所感

  • 本質的にやることはインジェクターへパルスを送る時間の変更だけ
    • すなわち1回の爆発に使う燃料の量が変わる
  • パルスの周期はクランク角に依存なので変更は無い
  • やりたいことを振り返ってみると「特定の条件で, フューエルカット」というものが多いので, ECUそのものをリプレースするのではなく, インジェクター手前に挿入するデバイスとして考えるのも良さそう