OKR

Measure What Matters (John Doerr著) をざっと読んだのでメモ.

OKR(Objectives and Key Results)は,達成したい目標と,これを充足する具体的な成果を検討するマネジメントの一手法である.

  • 目標には,シンプルに(1文で)visionを書く
  • 主要な結果には,測定可能な最大5個の,目標を充足する具体的な成果を書く
  • トップダウン的なOKRでは,上位の主要な結果が,下位の目標になる.アライメントされたOKRとも呼ばれ,複数のOKR間の整合性がとりやすい.
  • ボトムアップ的なOKRでは,末端の従業員のOKRでの目標も,本人が決める.モチベーションアップや,現場からのより優れた提案が起こりやすい.
  • トップダウンボトムアップの割合は50:50が理想
  • 目標がトップダウン的に決められたとしても,それを達成する具体的な成果については現場が判断・決定できる.

達成したい目標と,それを充足する具体的な成果を検討するというモデルがしっくりきた. 例えば,主著国際会議フルペーパー1本採択という目標に対して,それを充足する具体的な成果は無数に(どの会議に,どの研究で)存在し得る. 研究を始める前であれば,確率の高そうなテーマで研究して,それっぽい会議の名前をあげることはできる(トップダウン的). しかし,1年2年とプロジェクトが進めば,自分のやりたい・これまでに検討してきたテーマで,単に時期の近い会議名を挙げるかもしれない(ボトムアップ的). この例えは

という好例で,OKRはそれを表現できるモデル.

また,階層的な意思決定モデルを考えたときに,トップが理想/未来,ボトムが現状/現在だと考えると,それを結ぶパス/プロセスは理想から下ろしてくるだけでは実現し得ない. 現実的に/現場主義的に実行可能なプロセスとそうでないプロセスが存在するのは明らかで,これを踏まえて目標/主要な結果を検討する必要がある. そう考えるとトップダウン/ボトムアップ的なOKRは,本文でも触れられている通り,市場主義的に,同時に調整されていくのが好ましいような気がする.